レーダー探知機基礎知識
1.レーダー探知機とは
もともとレーダー探知機はその名の通り、速度取締り装置のレーダー波を探知してドライバーに安全運転を促すカーアイテムでしたが、無線情報を受信する機能やGPS機能の搭載、さらにはカーナビのように詳細な地図表示ができるまで進化しています。もはやレーダー探知機は、クルマのインフォメーションツールの役割を担っていると言えるかもしれません。
速度取締り方法の種類
1.定置式取締(道路脇に仮設した測定器によって速度違反を取締する方法)
レーダー方式
取締レーダー波を対象車両に向けて発射し速度を計測。
・通常式
取締中電波を常に発射しており検知しやすい。
・ステルス式
待機中は電波を発射せず、狙いを付けて短時間強い電波を発射するため、検知しづらく、警報が間に合わない場合があり要注意。
2.自動速度取締機
道路に建設した無人自動速度取締装置により取締する方式。
オービス
取締レーダー波を対象車両に向けて発射し、速度を計測。
新Hシステム
オービスと異なるレーダー波を使用し、探知しづらい。
違反車両をCCD式カメラで撮影。警察本部に電送します。
ループコイル
道路に増設したループコイル式センサ上を通過する違反車両をフィルム式カメラで撮影記録します。
LHシステム
道路にループコイル式センサを埋設し、その上を通過する違反車両をCCD式カメラで撮影。警察本部に電送します。
3.移動式取締(車両積載した測定器により取締する方式)
測定装置を搭載した車両が移動しながら、速度違反車両に向けてレーダー波を発射し測定します。
レーダー探知機の基本機能
レーダー波受信機能
速度取締機から発射されるレーダー波を受信して警告を鳴らす機能。従来のレーダー探知機の基本機能です。
レーザー光受信機能
最新式の速度取締機は従来のレーダー波ではなくレーザー光の照射による計測に変わりつつあり、それに対応した機能です。
GPS受信機能
GPS搭載機種では、「GPS」をはじめ「ガリレオ」や「みちびき」など各種衛星を受信し自車位置が認識できる事により、あらかじめレーダー探知機本体に登録されているオービス設置位置などの様々な情報をお知らせしてくれます。
各種無線受信機能
警視庁管轄内で使用されているカーロケ無線や警察庁管轄内で使用されている取締無線など警察関係が使用している無線の電波に反応し警告をする機能です。これらが反応すれば近くに稼働中の緊急車両が存在している事がわかります。
※ただし、すべての警察車両が使用しているものではありません。また使用していない時は反応いたしません。
Gセンサー・ジャイロセンサー機能
トンネル内や高架下などでGPS受信が出来なくなった場合でも、Gセンサー及びジャイロセンサー 搭載機種であれば自律航法で自車位置が測定でき、正確な位置情報が測定できます。それによりトンネル内に設置されているオービスがあっても正確に警報を鳴らします。
・Gセンサー (加速度センサー)
前進時などにかかる加速度の変化を計測し、進んだ距離を計算する。
・ジャイロセンサー
車の向き(左右)の変化を計測し、車の走っている方向を計算する。
ゾーン30対応機能
ゾーン30とは、住宅街など生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的として、区間を定めて時速30キロの速度制限を実施する交通安全対策です。必要に応じて一方通行や通行禁止などの規制を実施するなど、ゾーン内における車の走行速度や通り抜けを制御します。ゾーン30に対応したモデルはこの区間に進入すると音声やグラフィックで警報し安全運転をサポートします。
形状・タイプ
レーダー探知機にも、さまざまな形状・タイプがあります。モニター一体型でダッシュボード上に取り付けるスタンダードタイプ、モニターと受信アンテナが別体のセパレートタイプ、あるいは、純正ミラーに取り付けするものなど。車種やお好みに合わせてお選びいただくことをおすすめします。
一体型
主流であるディスプレイ画面付レーダー探知機です。受信状況やマップ、走行速度などを音声案内と一緒に画面に表示する優れもの。
画面も大型化し、さまざまなグラフィックで警告を演出。取り付けはダッシュボード上に専用スタンドを使用、あるいは直接固定することで視線の動きを少なくし画面を確認できます。
セパレート型
モニターと受信アンテナが別体なので、アンテナはレーダー波やレーザー光の受信しやすい位置に取り付け、モニターは気にせず自由な場所に取り付けできます。
ミラー型
ルームミラーとレーダー探知機が一体となった、「ミラー型レーダー探知機」。車内をスッキリさせたり、ダッシュボードの上には置きたくないという方にピッタリです。
2.レーダー探知機を選ぶポイント
レーダー探知機は日々進化し、現在ではさまざまな機能が搭載されています。グロナス衛星・ガリレオ衛星・みちびきといった複数衛星に対応したもの、地図・実写・3Dなどで知らせてくれる多彩な警告表示があるもの、事故車両診断を自動で行えるOBDⅡを搭載したものなど。これらの機能は、レーダー探知機としての性能をさらに高め、安全運転をサポートしてくれるので、機種選びのポイントとして把握しておきましょう。
複数衛星対応
これまで日本国内の都市部や山間地では、高い建物、山などが障害となって、少なくとも4機以上の人工衛星からの測位信号が届かないことがあり、測位結果に大きな誤差が出ることが多くありました。そこで、GPS衛星だけでなくグロナス衛星やガリレオ衛星、準天頂衛星システム・みちびきなど複数の衛星システムを多受信対応することで、山間部や都心部の高層ビル街などでも、測位できる場所や時間を大幅に広げることができます。
多彩な警告表示
運転中に現れる注意すべきポイントや施設などさまざまな情報をいち早く察知するため、状況に合わせて選べる多彩な警告表示を採用した機種もあります。
OBDⅡ対応
GPS測位をサポートし、マルチインフォメーションとして活用できます。トンネル内などGPSが受信できない場所でも、車速情報によって自車位置を推測してくれます。
3.「OBDⅡ(オービーディー・ツー)」ってなに?
レーダー探知機はさまざまなセンサーが内蔵されていますが、注目なのが「OBDⅡ接続」です。「OBDⅡ」端子はクルマの故障診断用に設けられた規格で、クルマの「OBDⅡ」端子から得られる車速やエンジン回転数、燃料噴射量、水温や油温などの車両情報を引き出すことができます。
「OBDⅡ接続」すれば燃費や移動距離など詳細な走行情報を液晶表示できるほか、レーダーマップの精度向上にも貢献します。「OBDⅡ接続」はレーダー探知機の機能をさらに強化させ、ドライブをもっと快適にしてくれます。
※「OBDⅡ」搭載でも未対応の車種がありますのでご注意ください。
接続のメリットは?
①トンネル内や渋滞時でも高精度な警報を実現
「OBDⅡ」を接続することにより、より正確な車速情報を検知できるようになります。トンネル内などのGPS非測位箇所や渋滞時でも高精度な警報を実現します。
②誤警報カット機能が正確に
「OBDⅡ」対応で車両情報が明確になることにより、自動ドアや反対車線のターゲットなどが原因で発生する誤警報を自動的にカットする機能の精度が上がります。
③エコ情報など多彩な車両情報の表示
「OBDⅡ」に接続することで、「エンジン負荷率」「スロットル開度」「燃料流量」「瞬間燃費」「平均燃費」といったさまざまな車両情報を表示。エコドライブにつながります。
Q&A
安全運転のサポートとしてとっても便利なレーダー探知機。そんなレーダー探知機についてのよくある質問をまとめました。
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Q1.レーダー探知機本体の取付け位置に制限はありますか?
保安基準の観点から、フロントガラスへの取り付けは禁止されております。またミラー型レーダー探知機もメーカー純正品以外のルームミラーには、取付けできない場合があります。詳しくは、各メーカー商品の取扱説明書をご参照ください。
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Q2.輸入車でも使用可能ですか?
基本的に12V車であれば取付けが可能です。ただし、輸入車に多い断熱ガラス・熱吸収ガラス等の車はGPS受信ができなかったり、停車してキーを抜いてもレーダー探知機の電源が切れない事があります。詳しくは、お買い求めの自動車ディーラ等で取付け可能かどうかご確認ください。また、店舗によっては輸入車の取付け作業を行っていない場合もあります。ネットショップでの「工賃コミコミセット」は輸入車対象外となっておりますのでご了承ください。
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Q3.バンド数って何ですか?
レーダー探知機の基本性能です。5バンドや17バンドと表現されるバンド数とは、取り締まりレーダー波や取り締まり無線を受信する数のことで、この数が多いほどさまざまな情報を受信することができます。「ベーシックモデル」だと2~5バンド、「ハイスペックモデル」で17~18バンドの受信が可能になります。取り締まりに関係する無線以外にもカーロケ-ターシステムやレッカー無線、JH無線などの無線を受信することで、周囲の情報をいち早く知ることが可能で、安全運転を心掛けることができます。
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Q4.取締り機にはどんな種類がありますか?
速度取締り機には、いわゆるレーダー波を発生するものから、レーダー波を発生しない地中に埋め込まれたセンサーで測定するものまで、さまざまなタイプがあります。レーダー波を発生しないタイプは、GPS機能を搭載したモデルでないと反応しません。代表的なものに、「新Hシステム」「LHシステム」「レーダー式オービス」「ループコイル式オービス」などがあります。
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Q5.「デジタル無線」とは何ですか?
警察本部と緊急車両等とが交信を行う際に使用する無線で、通話内容がデジタル化されており通話内容を聞くことはできませんが159MHz~160MHz帯で約53chの電波を受信し警報を行います。