Car & Music Life!
今注目の音質向上テクニック、
デッドニングのメリットをご紹介。
デッドニングとは?
デッドニング。何やら少し物騒な響きを持った言葉ですが、みなさん正確な意味はご存じでしょうか?
デッドニングとは、「何かを無効にする・弱める」を意味する「Deaden」という動詞の名詞形となります。
では、カーオーディオの世界、良い音を聴くための世界で「無効にしたいもの」とは何でしょう? それはズバリ、「余分な振動」!
これを極力なくす、良い音への悪影響を極力弱めていく行為をデッドニングと呼ぶのです。
具体的には、スピーカーが取り付けられている「ドア」が出す余分な振動を抑えて、 スピーカーが良い音を鳴らすための最適な環境にしてあげる作業が「デッドニング」となります。 言葉の正確な意味が解ったところで、具体的なデッドニングの仕組みについてご説明しましょう。
デッドニングしていないと・・・
「良い音」的観点でみたときに、スピーカーが取り付けられるクルマのドアというのは、純正のままではあまり良い環境とはいえません。
車両のボディは、鉄板やプラスチックで構成されており、ドアの内張りを外したことがある方はご存知ですが、 純正ドアの中身は、サービスホールと呼ばれる穴が沢山開いている薄い鉄板の空洞になっています。
この状態でスピーカーを鳴らすと、スピーカー自体の振動もあることから、
・その振動や空気の作用で鉄板や内装材が共振してしまう
・ドアのサービスホールを通じて、スピーカー背面から出る音と、正面から出る音が打ち消し合ってしまう
といった、様々な「悪影響」が出てしまうのです。
せっかく良いスピーカーに交換しても、ドアが純正のままでは実にもったいないということですね。
デッドニングの効果
この「もったいない」状況を改善するのがデッドニング。その効果には、大きく次の3つが挙げられます。
制振効果
文字通り振動を抑制することであり、スピーカーの振動や、車自体の振動を抑える効果です。
吸音効果
エンジン音や、ロードノイズ、風切り音、その他様々な「運転中に車から発生するノイズ」を吸収する効果です。
バッフル効果
ドアのサービスホールを埋めることによって、スピーカー背面と正面の音が打ち消し合わないようにする効果です。
わかりやすくまとめると、同じ音楽を聴く際に、工事現場の中で聴くのと、 試聴室で聴くのとでは、「聴こえ方がまったく違う」ということですね。 車内でのリスニング環境を整え、より心地良い空間を創ることが、 デッドニング最大の効果であり、目的なのです。
デッドニングの作業内容
デッドニングの基本的な作業内容をご説明します。
内張りの取り外し
内張りの位置が判るように、内張り周辺の鉄板部にマスキングテープを貼っていきます。取り外した内張りは、キズ防止のためにマスキングテープ等で保護します。特に「出っ張り」部分は入念に。
防水ビニールシートの除去
パーツクリーナー・ヘラ・ガムテープ等を使用し、ブチルゴム等を丁寧に除去していきます。ビニールシートを除去した後は、鉄板部(アウターパネル裏側、インナーパネル側)の油分や汚れを取り除きます。
制振材の貼り付け
(アウターパネル裏側)
制振材を短冊状に切断し、鉄板平面部を中心に約5~6cmの間隔で貼り付けます。
制振材の貼り付け
(インナーパネル側)
ヒートガン、ドライヤー等を使用し、サービスホールを全て埋めるように貼り付けていきます。配線の浮き、ガタツキ部にもテープで制振を施します。
スピーカーの装着
インナーバッフルを使用してスピーカーを装着。装着後のドア内部での干渉がないように、必要に応じて開口部の鉄板を切削したり、バッフル内側をサイズ調整する等の加工処理を行います。※内張り内での音漏れを防ぐために、スピーカー周りへの吸音材の貼付けは効果的です。
デッドニングはいわば、「良い音のための基礎工事」のようなものなのです。 デッドニング施工車と非施工車の「音の違い」をぜひ一度体感し、その効果の高さに驚いて欲しいですね。
それと、デッドニングを施すと、ドアの重厚感が増すので、ドアを閉じたときの音も少し変わります。車種にもよりますが、パタン!という音がバムッ!という高級感のある音になりますよ!
必要部材をセットした
デッドニングキットがおすすめ
最近では、単品だと高価な部材が無駄なくセットされた商品が数多く販売されているので、効果的にセレクト可能です。
しかし・・・自分でやろとすると意外に大変です。
クルマの内張りを外す作業には、工具や経験、広いスペースなどが必要です。
クルマに合わせてフリーハンドで部材をカットしたり、使用量や貼り付け場所を考えたりと経験とノウハウが必要な作業が多くあります。